東日本大震災で被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
一刻も早く皆様の安心・安全が確保されることを心より願っております。
皆様、ご無沙汰致しております。羽崎でございます。
このたびの震災での直接的な被害はなかった関西におりますが、
日頃テレビを見る習慣がなくともつけっぱなしにしているのは
私だけではないはずです。
もう言葉もありません。
国家の一大事、にもかかわらず正確な現地の情報が得られない状況では、
今まさに何をすべきか、何が必要か、何ができるのかがわからず、
ただ義援金を送り、テレビをつけ、YAHOOニュースを更新するしかないのです。
現地に関する報道が少なくなってきたことにひとり文句を言うしかないのです。
小さくても経済活動(?)に参加している私共の工房にも
当然のことながら震災の余波ともいえる影響が出てきています。
革の製造遅延、金具の入荷遅延、各素材の原価高騰。
今は、これらの対策を必死で考え中です。
お客様へのメールは一時かなり滞りましたが、
本日現在、4月5日に頂いた分までのお見積もり等が完了致しております。
今後いくつか、少々ネガティブなご案内をすることになるかと思います。
とはいえ、間違っても「製作できない」「閉店する」系のお話では
ありませんので、どうかご心配なく。
いつも調子よくふざけてばかりの私が(いやべつにふざけているわけでは…)
こんな言い方をすると、誤解を招いてしまうかもしれませんね。
ざっくり言うと、値上げです(ひゃー、ざっくり言い過ぎた)。
原油高ほか各原材料の高騰で、革の原価が上がるのです。
のみならず、型紙に使う特殊な紙もびっくりするほどの値上げです。
初めてのことではなく、これまでも少しずつ上がっていたのですが、
なんとか現状キープでやってきました。
(これを以前からもっと言っておけば良かった・・・)
もう限界です!と声高に言うつもりはありませんが、
このままだと厳しいです。
サイズオーダーがメインですので、
「お見積もりの際に5000円のところを5500円と言えば済む話ではないか」
という考え方もあるわけですが、どうにも好かんのです。
そもそも、一般的なサイズの手帳カバーが1万円近くすること自体、
個人的には好かんのですが。
おそらく5月に価格改定すると思います。
事前に新価格帯をお知らせできるよう、各サイズの価格を見直し中です。
サイズによっては大きく値上げをしにくいゾーンもありますので、
オプション料金も少しいじるかもしれません。
何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。
上げ幅を少しでも食い止める、ほぼ唯一の方法が、「新商品開発」です。
革にはタテ目、ヨコ目があって好きなように取れるわけではないですし、
どの部分も余すことなく取れるということはまずありませんので、
当然中途半端な余りが出てくるわけです。しかもものすごく大量に。
カバーのパーツとしては使えない程度の小さな面積、でもキズもなくキレイ・・・
という革がごろごろ出ます。
ペンホルダーには使えますので、もちろん今はすべてペンホルダー行きですが、
まったく追いつかない勢いで余りが出ます。
これを、何か他の商品として誕生させ、無駄を省くことができたら。。。
以前から考えていることなのですが、いよいよ現実的になってきましたので
価格の上げ幅と併せて本腰を入れて考えたいと思います。
決まりましたら、本雑記帳とサイトにてご案内させて頂きますので、
その際にはどうぞ宜しくお願い申し上げます。
3月11日。
あの日私は珍しく風邪ぎみで、工房のキッチンでパブロンを飲みました。
水を飲んだグラスを置いた瞬間、フラッとしたのであわてて手をつき、
「あ~、めまいか。これは相当ヤバいな。本格的に風邪かも」と思ったら、
工房の方から「おーい、まや~」と父の声。
何ごとかと駆けつけると、作業椅子に座ったままの父が机に手をついて
「わし、ちょっとフラフラするねん。めまいやわ。地震じゃないよな?」
言われて何気なくあたりを見回すと、天井ファンやハンガーのコートが
ゆーらゆーらと揺れていて、私の足元も大きく揺れていました。
「地震やったんか。まだ揺れてる。結構長いな・・・」
「テレビつけてみ」
「いやまずYAHOOニュースやわ」
しばらくしてからつけたテレビ画面に映し出されたのは、
「・・・なにこれ・・・」としか言えない光景でした。
画面の端から中央へ押し寄せる津波、その津波の方へ走ってゆくたくさんの車。
普通に道を走っていると、地を這って迫り来る津波は見えない。
ヘリからの映像を見ている私たちからしか、危険な方向がわからないなんて。
こんなことがあっていいのか。
テレビの前で見守る誰もが、「そっちじゃなくてあっち!上の方に!」と
聞こえるはずもない叫びをあげていたと思います。
その後、関東方面のお客様から頂くメールには、
「無事です。水はじめ各物資の不足、計画停電、多少の不便は止む無しです。
被災地の方々の御苦労を思うと、何の文句を言うつもりもありません」
という類のメッセージの追記が多くなり、その人間味?がとても嬉しかったです。
長い長い文章になってしまいました。
最後に、被災された皆様に重ねてお見舞い申し上げますとともに、
被害に順番をつけることなどできませんが、それでも特に、
親をなくした子供たちが誰かの手で少しでも安心を感じていることを祈ります。
祈るだけではいけませんので、何かできるとなった暁には行動したいと思います。